外壁の隙間、冬に広がるのはなぜ?コーキング補修の正しい判断基準

冬の乾燥で家の「隙間」が広がってませんか?
サイディング外壁の寿命を左右するコーキング補修のホントのところ

皆様、こんにちは。京都市山科区の総合リフォーム会社・株式会社RIzaimです。

冬って、肌がカサカサになりますよね。ハンドクリームが手放せない季節です。

でもちょっと待ってください。あなたのお住まい、外壁も同じように「乾燥」と「寒さ」でダメージを受けているかもしれません。


ふと外壁を見上げたとき、サイディングの継ぎ目に黒っぽい隙間を見つけたことはないでしょうか。ゴムみたいな部分がペロンと剥がれていたり、なんだか去年より隙間が大きくなっている気がする——。それ、気のせいじゃないんです。


今回は「なぜ冬にコーキングの劣化が目立つのか」という科学的な理由から、「全面塗装は予算的にキツいけど、雨漏りは絶対イヤ」という方へのコーキング補修だけで家を守る方法まで、現場を知る専門家の視点でお話しします。

冬の住宅外壁イメージ
冬の乾燥と寒さは、外壁にも大きな影響を与えます

なぜ「冬」にコーキングの隙間が広がるのか?

「硬い壁が動くって、マジですか?」

こう聞かれることがあるんですが、窯業系サイディングは気温や湿度の変化で確実に伸び縮みしています。この「壁の動き」こそ、冬にコーキングの劣化が表面化する最大の原因なんですね。

サイディングは季節ごとに「呼吸」している

窯業系サイディングの熱膨張係数は10×10⁻⁶/℃(JASS 8 防水工事より)。ちょっと専門的な数字ですが、京都・滋賀の気候に当てはめると、その影響がリアルに見えてきます。

  • 約40℃
    京都盆地の年間気温差
  • 60℃超
    真夏の外壁表面温度
  • 約1.2mm
    ボード1枚の伸縮幅
  • 約2.4mm
    目地部の変動幅

「え、たった1.2mm?」と思いましたか。ところがですね、目地を挟んで両側のボードが動くわけですから、コーキング部分には約2.4mmもの変動がかかり続けているんです。これ、けっこうな負担ですよね。

さらに見落とせないのが乾燥による収縮。窯業系サイディングはセメント質の材料なので、湿度の変化でも伸び縮みします。冬は「低温」に加えて「乾燥」という二重の収縮要因が重なるタイミング。つまり目地幅が1年で最も広がる季節というわけです。

夏にはサイディングが膨張してコーキングを「ギュッと押しつぶし」、冬にはサイディングが収縮してコーキングを「グイッと引っ張る」。ペットボトルに水を入れて凍らせると膨張しますよね?あれと同じように、建材も温度や水分で形が変わるんです。コーキングは1年中、まるで綱引きをさせられているようなものでしょう。

【図解】季節ごとのサイディング伸縮とコーキングへの負荷
断面構造図(夏・冬の比較)

古くなったコーキングが冬の「引っ張り」に耐えられなくなる理由

新品のコーキングは輪ゴムみたいに柔らかいんですが、紫外線や経年劣化で少しずつ硬くなっていきます。この硬化の原因は、柔軟性を保つ成分(可塑剤)が長い年月をかけて抜けてしまうこと。

硬くなったコーキングは、冬場に広がった目地の「引っ張り力」に耐えきれません。柔軟性を失った材料が無理やり伸ばされ続けた結果——パキッと破断。これが「冬にひび割れが目立つ」正体なんですね。

もうひとつ怖いのが凍害リスク。劣化した隙間から浸入した雨水が、サイディングの内部や裏側に回り込んで凍ると、体積が約9%膨張します。この膨張圧が内側から壁材を押し広げることで、サイディングが反ったり、表面が剥がれ落ちる「爆裂」を引き起こすこともあるんですよ。

放置はNG!まずはセルフチェックで「劣化レベル」を確認

ご自宅のコーキング、どのくらい傷んでいるでしょうか。まずはセルフチェックしてみてください。以下の6段階で状態を判断できます。

外壁の点検イメージ
定期的なセルフチェックで早期発見を

【危険度別】肉やせから破断まで、6段階の劣化サイン

危険度 症状 どんな状態?
肉やせ コーキングの中央部がわずかに凹んでいる
表面のひび割れ 細かな亀裂が入っている
深いひび割れ 亀裂が奥まで達している
剥離 コーキングが外壁から浮いている
破断 完全に裂けて隙間ができている
欠落 コーキングが脱落し、青いテープや金具が見えている
末期症状のサイン
青いテープ(ボンドブレーカー)や金属の金具が見えている状態は、正直なところ末期症状です。雨水が直接内部に侵入する経路ができているので、早めの対応が欠かせません。

特に注意すべき「危険地帯」はここ

すべての目地を点検するのは大変ですよね。なので、特に以下の場所を重点的にチェックしてみてください。

  • サッシ(窓)周り:雨水が集中しやすく、漏水したときの被害が大きい
  • ベランダ周辺:水切りとの取り合い部分は構造的に弱点になりやすい
  • 縦目地(板間目地):サイディングの動きが最も大きく、劣化が進みやすい
  • 水切り・土台まわりの下部:横張りの場合、浸水リスクが非常に高い

隙間の大きさが不均一だったり、新築時より明らかに広がっているなと感じたら、専門家に相談してみることをおすすめします。

【プロの判断基準】「打ち替え」vs「増し打ち」どっちを選ぶ?

コーキング補修には「打ち替え(完全に除去して新しく打ち直す)」と「増し打ち(既存の上に重ねる)」の2種類があります。費用は増し打ちの方が安いんですが、安易な増し打ちは数年後の再工事を招く落とし穴になりかねないんですよね。

コーキング補修作業
プロの技術による丁寧なコーキング補修

サイディングの縦目地は「完全打ち替え」が鉄則

結論から言うと、サイディングボードの縦目地(板間目地)は必ず打ち替えを選ぶべきです。これはJASS 8(日本建築学会の防水工事標準仕様書)にも明記されている業界共通のルール。動きの大きい部位に増し打ちしても、早期に再劣化してしまうからなんですね。

【図解】2面接着 vs 3面接着の構造比較
断面構造図(左右比較レイアウト)

2面接着とは: 目地の底にボンドブレーカー(絶縁テープ)やバックアップ材を入れて、コーキングが左右の外壁材のみに接着する状態。両手で伸ばす輪ゴムをイメージしてください。自由に伸び縮みできますよね。

3面接着とは: 目地の底にもコーキングがくっついてしまっている状態。輪ゴムの真ん中を指で押さえながら伸ばそうとするイメージです。当然、伸びにくくなり、早期にひび割れ(破断)が起きやすいわけです。

増し打ちの最大の問題点は、この3面接着になりやすいこと。打ち替えは確かに費用がかかります。でも、過去の施工不良をリセットし、正しい2面接着構造を再構築できる唯一のチャンスでもあるんです。

増し打ちでも大丈夫なケースはある

とはいえ、すべてを打ち替えなければいけないわけではありません。以下の条件を満たす場合は、増し打ちでもOKです。

  • サッシ(窓)周り:カッターで撤去すると防水シートを傷つけ、かえって雨漏りリスクを高める恐れがある
  • 入隅部分・軒天井との取り合い部:構造上、動きが小さい箇所
  • 既存材に柔軟性が残っている:ひび割れ・剥離がなく、まだ弾力がある
  • 厚み10mm以上を確保できる:増し打ち後に十分な厚みが取れる

ただし、既存がシリコン系(純シリコン)の場合は問答無用で完全撤去してください。シリコン系は硬化後、他の材料がほとんど接着しないので、上から何を打っても数年で剥離してしまいます。

京都・滋賀の気候に負けない!高耐久シーリング材の選び方

寒暖差の激しい京都盆地では、材料選びが補修の成否を大きく左右します。「低モジュラス」「ノンブリード」というキーワード、ぜひ覚えておいてください。

シーリング材
材料選びが補修の成否を左右します

盆地特有の激しい寒暖差には「低モジュラス」が必須

「モジュラス」とは、材料の硬さ・柔らかさを示す指標のこと。低モジュラスタイプは伸びやすく、戻ろうとする力が穏やかなんですね。つまり、サイディングの動きに無理なく追従できます。

高モジュラス材は伸びた後に強く元に戻ろうとするため、冬場に目地が広がった状態でコーキングが切れやすくなってしまいます。年間気温差40℃を超える京都・滋賀では、低モジュラスタイプを指定するのが鉄則といえるでしょう。

オートンイクシード
オート化学工業

独自開発の「LSポリマー」を採用した新世代のポリウレタン系シーリング材。従来のウレタン系は紫外線に弱いという弱点がありましたが、可塑剤を使わずに柔軟性を実現する新技術でその課題を克服しました。

期待耐用年数約30年 伸び率1,000%超 紫外線耐性
SRシールH100
サンライズ

高耐候性の変成シリコーン系。促進耐候性試験6,000時間突破、約200色対応で外壁色に合わせやすいのが特徴です。

耐候性試験6,000h 約200色対応 変成シリコーン
長期コスト比較
  • 一般的なシーリング材の耐用年数 約10年
  • 高耐久製品の期待耐用年数 約30年
  • 30年間で節約できる足場代 約30万円以上

塗装との相性を決める「ノンブリード」性

外壁塗装と同時施工する場合、ノンブリードタイプの選択は必須です。一般的なコーキング材に含まれる可塑剤(柔軟性を保つ成分)は、時間が経つと塗膜に移行し、黒ずみやベタつきの原因になってしまいます。

「補修したのに目地部分だけ変色した」という失敗談を聞くことがありますが、これはブリード現象によるもの。見積もり時には、使用するシーリング材の製品名まで確認しておくと安心ですね。

費用を抑える戦略:「コーキング単独」か「塗装とセット」か

補修費用で最も大きな割合を占めるのが足場代(15万〜20万円)です。この固定費をどう扱うかが、コスト最適化のカギを握っています。

住宅の足場
足場代は補修費用の大きな割合を占めます

30坪住宅の費用相場と比較シミュレーション

工法 1mあたり単価 30坪総額目安(足場込み)
打ち替え 900〜1,200円 約30万〜45万円
増し打ち 500〜1,000円 約25万〜35万円

打ち替えと増し打ちの差額は約10万円程度。この差で耐用年数が数年〜十数年変わることを考えれば、長い目で見ると打ち替えの方がお得だといえます。

同時施工 vs 別々工事の比較
  • コーキング単独工事 約37万円
  • 塗装と同時施工(足場代1回) 約97万円
  • コーキング先行→数年後に塗装 約114万円

同時施工と別々工事では約17万円の差額が生じます。築10年以上で外壁にも色褪せがある場合は、同時施工を検討してみてはいかがでしょうか。

見積もりで確認すべき「信頼できる業者」の見分け方

相見積もり(最低3社)を取る際は、金額の安さだけでなく以下をチェックしてみてください。

  • 工法の明記:「打ち替え」と「増し打ち」がきちんと区別されているか
  • 製品名の記載:「コーキング一式」ではなく、具体的な製品名があるか
  • メートル数の表示:施工範囲が数量で示されているか
  • 保証期間の有無:施工後の保証内容が明確か

「足場代無料」を謳う業者は、他の項目に費用が上乗せされている可能性があります。また、訪問営業で「今すぐ工事しないと大変なことになりますよ」と不安を煽ってくる業者は、正直なところ避けた方が無難でしょう。

「冬の点検」と「施工時期」についての大事な注意点

ここまで読んでいただいた方の中には、「よし、今すぐ工事を頼もう!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、ひとつ気をつけていただきたいことがあります。点検のベストシーズンと、施工のベストシーズンは必ずしも同じではないんですよね。

季節のイメージ
点検と施工、それぞれのベストタイミングがあります

シーリング材メーカーの技術資料によると、気温5℃以下での施工は硬化不良のリスクがあります。冬の朝は外壁表面に結露や霜が付着していることも多く、十分に乾燥させないとプライマー(接着剤)の効果が発揮されません。

  • 冬に点検・診断
    隙間が最大化する冬こそ、隠れた劣化を発見しやすい
  • 春〜秋に施工
    気温が安定し、硬化条件が整いやすい時期に工事を実施
  • 冬に施工する場合
    日中の暖かい時間帯に限定し、十分な養生期間を確保できる業者を選ぶ

緊急の雨漏り対策が必要な場合を除いて、冬に現状を把握し、春先に施工計画を立てるというスケジュールが最も確実だと思います。

まとめ:冬こそコーキング点検の「ベストタイミング」です

今回のポイント

  • 冬はサイディングが「低温」と「乾燥」のダブルパンチで収縮し、コーキングの劣化が最も見えやすくなる「点検のベストシーズン」
  • サイディングの目地は、動きに追随できる「2面接着(打ち替え)」が原則
  • 京都・滋賀の寒暖差には「低モジュラス」の高耐久シーリング材を選ぶことが長持ちの秘訣
  • 費用対効果を考えると外壁塗装との同時施工がベストだが、雨漏りリスクがあるならコーキング先行補修も賢い判断
  • 冬に診断を受け、気温が安定する春以降に施工するのが理想的

たかが数ミリの隙間。されど数ミリの隙間。この小さな処置が、数十年後の家の価値を大きく左右することになります。春が来て雨が増える前に、まずはご自宅の「冬の健康診断」をしてみませんか?

無料相談・お見積もりのご案内

「うちの壁の隙間、これって大丈夫かな?」と気になっている方へ。スマートフォンで写真を撮って送るだけの無料WEB診断や、専門スタッフによる現地調査をご利用ください。


京都市山科区を中心に、お客様の大切な住まいを守るお手伝いをしています。

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