その緑色の正体は？苔・カビ・藻を見分ける方法

外壁を覆う「緑の汚れ」の三兄弟

あなたの家の外壁に現れた緑や黒の汚れ。その正体は主に「苔・カビ・藻」という3つの生物なんです。

似ているようで、実は全く違う特徴を持っているんですよね。

苔（コケ）は緑色で立体的。触るとふわっとしていて、植物の一種です。光合成するから、ある程度の日光と水分が必要。外壁にスポンジみたいに張り付いて、水分をずっと保持し続けます。

藻（ソウ）も植物の仲間なんですが、こちらは平面的でヌメっとした質感が特徴的。最初は薄い緑色なんですけど、進行すると濃い緑色に変わっていくんです。苔より広範囲に発生しやすい傾向がありますね。

カビ（菌）は黒色や灰色の斑点として現れることが多くて、光合成を必要としません。だから日光が全く当たらない暗くてジメジメした場所でも繁殖するんです。菌糸を深く張り巡らすため、最も除去が難しい厄介者だと言えるでしょう。

なぜ京都・滋賀の家は特に「緑化」しやすいのか

実は京都・滋賀エリアって、外壁の緑化リスクが全国平均より明らかに高い地域なんです。

その最大の理由は、盆地と琵琶湖がもたらす「天然のスチームサウナ環境」。これは私自身も調べていて驚いたんですが、想像以上に過酷な条件が揃っているんですよ。

京都盆地は北に丹波山地、東に比叡山系、西に西山、南に平城丘陵に囲まれた楕円形の地形。この地形が「空気の滞留」を引き起こして、湿気が逃げにくい環境を作り出しているんです。

夏は熱せられた空気が盆地に溜まり、冬は冷気が底に沈む「底冷え」現象が発生。つまり、京都・滋賀という土地柄そのものが、外壁の緑化リスクを増大させている。特に山科区のように三方を山に囲まれた地域や、大津市のように琵琶湖に近い地域では、このリスクがさらに高まるんです。

外壁材によって発生しやすさが違う？

実は外壁材の種類によって、苔やカビの発生しやすさは大きく変わってきます。

最も発生しやすいのが、凹凸の多いモルタル（リシン仕上げ）。表面の小さな凹凸に汚れや水分が溜まりやすくて、ひび割れから水分が浸入しやすい構造になっているんですよね。

新築住宅の約70％に使われている窯業系サイディングも要注意。吸水性があって、デザイン性を重視した凹凸の多い製品が多いため、目地部分の劣化から水分が浸入しやすくなります。

一方、表面が平滑で吸水性のない金属サイディングは、最も発生しにくい外壁材。水はけが良くて、菌類が定着しにくい環境なんです。

「少しくらい大丈夫」が命取り！放置が招く5つの深刻リスク

リスク①：冬の底冷えが引き起こす「凍害」の恐怖

外壁の緑の汚れを放置する最大の危険性。それが凍害です。

特に京都・滋賀の冬場の底冷えと組み合わさると、建物に致命的なダメージを与えるんですよ。

苔は水分を保持するスポンジのような存在。苔が生えた壁は常に湿っていて、塗膜の劣化を加速させます。防水機能が失われた外壁材は雨水を吸い込み、冬場に氷点下（-2℃～-4℃以下）になると、内部の水分が凍って約9％膨張するんです。

この膨張する力が外壁材を内側から破壊する。これが「凍害」。表面が皿状に剥がれ落ちる「ポップアウト現象」や、薄いうろこ状に剥離する「スケーリング」が発生します。

リスク②：シーリング劣化が雨漏りに直結

窓枠やサイディングの継ぎ目（シーリング）に生えた苔。実はこれ、シーリング材の劣化のサインなんですよね。

シーリング材は外壁の防水性を担う重要な部分。ここが劣化してひび割れると、その隙間から水が侵入して、気づかぬうちに壁の中で柱を腐らせ、雨漏りの原因となります。

シーリング劣化から雨漏りまでのプロセス

ひび割れ→浸水→壁内浸透→室内漏水→構造材腐食というプロセスを辿り、最終的には建物の耐震性まで脅かす事態に発展するんです。シーリングの打ち替え工事だけでも15～30万円程度かかりますが、雨漏りが発生してからでは、その数倍の費用がかかってしまうんですよ。

リスク③：壁内結露が建物の寿命を10年縮める

外壁の吸水性が増すことで、内部の断熱材が湿気を吸収しやすくなります。そうすると、壁の内部で結露が発生する「壁内結露」のリスクが高まるんです。

壁内結露によって発生した湿気は、構造躯体（柱や梁）に伝わり、木材の腐食を進行させます。木材の含水率が20％以上になると腐朽菌が活動を開始して、建物の耐震性・耐久性が大幅に低下。

リスク④：家族の健康を脅かすカビアレルギー

外壁に繁殖したカビの胞子が窓や換気口を通じて室内に侵入し、家族の健康被害を引き起こす可能性があるんです。

主な健康リスクには、アレルギー性鼻炎（くしゃみ、鼻水、鼻づまり）、気管支喘息（カビの胞子を吸い込むことで喘息発作を誘発）、夏型過敏性肺炎（トリコスポロンというカビが原因）などがあります。特に免疫力が低下している方の場合、重症化すると生命に関わる肺アスペルギルス症を発症する危険性も。

厚生労働省は室内の相対湿度を50～60％に保つことを推奨していますが、外壁の湿気が室内環境にも影響を及ぼすことを忘れてはいけません。

リスク⑤：資産価値への影響

外壁の劣化状態は、住宅の査定に影響を及ぼす可能性があります。

一般的な不動産査定における減額の参考目安として、軽度の劣化（苔・カビが部分的）で査定額の3～5％程度、中度の劣化（外壁全体に苔・カビ）で5～10％程度、重度の劣化（クラック、剥離、雨漏り）では10～20％程度の減額となる可能性が指摘されています。

ただし実際の査定額は物件の立地、築年数、市場状況などによって大きく変動します。将来的な売却を考えている方にとって、外壁の適切なメンテナンスは資産価値の維持につながる重要な要素の一つと言えるでしょう。

絶対にダメ！家庭用高圧洗浄機が「トドメを刺す」理由

「水圧で吹き飛ばせばいい」は大きな間違い

「汚れは水圧で吹き飛ばせばいい」という考え。これ、非常に危険なんです。

プロが使う業務用洗浄機と違って、家庭用は水圧の微調整が難しい。劣化した塗膜を簡単に吹き飛ばしてしまうんですよね。塗装が剥げた外壁は、いわば”裸”の状態。吸水性が一気に高まって、前述の「凍害」リスクを劇的に増大させます。

さらに危険なのが、サイディングの継ぎ目や窓枠のシーリング。ここに高圧の水を直接当てると、防水の最後の砦であるシーリングを傷つけて、雨漏りの直接的な原因を作り出してしまうんです。

実際にあった失敗事例

市販の苔除去スプレーも焼け石に水

市販の苔除去スプレーは、表面の苔を一時的に除去することはできます。でも外壁材の凹凸に残った「根」は死んでないんです。

そのため高湿度の京都・滋賀では2～4週間で再発してしまいます。

しかも、仮に表面の苔が取れたとしても、外壁材の防水機能が回復するわけじゃない。根本的な解決にはならないんですよね。安易なDIYは「安物買いの銭失い」の典型だと思いませんか？

プロが実践する根本解決策：バイオ洗浄＋防カビ塗装

「治療と予防」がセットになった最強コンビ

プロによる根本解決策は、単なる「洗浄」ではありません。「治療と予防」なんです。

特殊な薬剤で苔やカビを根から死滅させる「バイオ洗浄」で外壁をリセットし、高耐久の「防カビ・防藻塗料」で新たな防水バリアを築き、再発を長期間防ぐ。

バイオ洗浄が「根から死滅させる」仕組み

「バイオ洗浄」とは、専用の洗浄剤を散布して、苔やカビの細胞膜を破壊して根こそぎ分解する画期的な方法です。

まず濃縮液を5倍に希釈した薬剤を低圧スプレーまたはブラシで外壁に塗布し、一定時間（軽度なら1～2時間、重度なら7日間）放置します。この薬剤が外壁材の微細な深部にまで張り巡らされた菌糸を分解して、根元から死滅させるんです。

薬剤の力で汚れを浮かせるため、外壁を傷つけない優しい水圧で洗い流せるのが特徴。高圧洗浄のように表面を削るだけじゃないので、殺菌効果により再発までの期間を大幅に延ばすことができます。

ただし効果の持続期間は立地条件や気候、施工品質によって変動しますので、定期的な点検が重要ですね。

バイオ洗浄の施工プロセス

高圧洗浄とバイオ洗浄の比較

一般的な30坪の住宅の場合、バイオ洗浄の費用相場は約7.5～15万円（250～550円/㎡）程度です。

防カビ・防藻塗料で再発を完全ブロック

洗浄で綺麗になっても、外壁の防水機能が回復したわけじゃありません。ここで重要なのが、京都・滋賀の高湿度環境に最適な「防カビ・防藻機能」が強化された塗料による塗装なんです。

シリコン系や無機系などの高耐久塗料を3回丁寧に塗り重ねることで、強固な防水層を再構築します。これにより今後10年以上にわたって苔たちの侵入を許さない、健康で美しい外壁が蘇るんですよ。

京都・滋賀エリアで特におすすめなのは、以下の塗料です：

• 無機塗料＋防カビ防藻剤（耐用年数20～25年、年間コスト4.4～7.5万円）：最高性能、高湿度環境で最も効果を発揮
• シリコン防カビ防藻塗料（耐用年数12～15年、年間コスト5.3～9.2万円）：コストパフォーマンス最高
• フッ素塗料＋防カビ防藻剤（耐用年数15～20年、年間コスト5～9.3万円）：高性能バランス型

30坪モデルで見る根本解決プランの費用相場

黄金リレーの全工程

適切な処置を行うための「黄金リレー」は、以下の工程で構成されます：

• ステップ1：足場設置（10～18万円）
  高所作業を安全に行うための足場を設置。これは省略できない必須工程です。
• ステップ2：バイオ洗浄（7.5～15万円）
  京都・滋賀の高湿度環境では特に重要。苔・カビを根から死滅させます。
• ステップ3：下地処理（12～24万円）
  シーリング打ち替え、クラック補修、ケレン作業など。雨漏り防止の要となる工程です。
• ステップ4：3回塗り厳守の塗装（50～100万円）
  下塗り→中塗り→上塗りと、3回の塗り重ねで強固な防水層を形成します。

塗料グレード別の総額（30坪モデルの目安）

以下の費用は、一般的な30坪住宅の目安です。実際の費用は建物の形状、劣化状況、立地条件などによって大きく変動しますので、必ず複数業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。

40万円台以下の激安業者は要注意！

【京都府・滋賀県】リフォーム補助金制度について（参考情報）

補助金制度の活用を検討しましょう

京都府・滋賀県の一部市町村では、これまで住宅リフォームに関する補助金制度が実施されてきた実績があります。ただしこれらの制度は年度ごとに予算や条件が見直されるため、必ず最新情報をご確認ください。

過去に制度実施の実績がある主な自治体（参考）

• 京都府：宮津市、久御山町、和束町など
• 滋賀県：多賀町、東近江市、彦根市、愛荘町、大津市、高島市、長浜市、守山市、野洲市、栗東市、湖南市、竜王町、日野町など

過去の制度では、工事費の10～20％（上限10～30万円程度）が補助される例が多く見られました。

一般的な申請の流れ（参考）

1. まず自治体窓口で最新の制度を確認
2. 施工業者から見積書取得
3. 着工前に申請書提出（多くの制度で必須）
4. 承認後着工
5. 完了後実績報告
6. 補助金交付

重要な注意点

補助金の活用を検討される場合は、工事を計画する段階で早めに自治体の窓口にお問い合わせすることをおすすめします。

業者選びで失敗しない5つのチェックリスト

よくある質問（FAQ）

• 外壁の苔、自分で掃除してもいいですか？

  家庭用高圧洗浄機は塗膜やシーリングを破壊するリスクが高く、おすすめできません。一時的に綺麗になっても数ヶ月で再発し、むしろ建物の劣化を早めてしまいます。

• 放置するとどのくらいで手遅れになりますか？

  築10年を過ぎて苔が発生している場合、既に塗膜の防水機能が低下しています。特に京都・滋賀の冬場の凍害リスクを考えると、早急な対処が必要です。

• バイオ洗浄と高圧洗浄、どちらがいいですか？

  バイオ洗浄は根から死滅させるため、再発抑制効果が高く、外壁材へのダメージも少ないため、特に高湿度の京都・滋賀エリアではバイオ洗浄を強くおすすめします。ただし効果の持続期間は環境条件によって変動します。

• 塗装の頻度は？何年ごとに塗り替えるべきですか？

  使用する塗料によって異なりますが、シリコン系で12～15年、フッ素系で15～20年、無機系で20～25年が目安です。ただし定期的な点検は3～5年ごとに行いましょう。

• 施工期間はどのくらい？洗濯物は干せませんか？

  30坪住宅で7～14日間程度です。施工中は窓の開閉制限があり、洗濯物の外干しも不可、塗料の臭いが発生する可能性があります。

• 冬でも施工できますか？

  気温5℃以上、湿度85％未満であれば施工可能ですが、乾燥時間が長くなるため、できれば春や秋が最適です。

• 近隣への挨拶は必要ですか？

  はい、足場の設置や高圧洗浄時の音、塗料の臭いなどでご迷惑をおかけする可能性があるため、事前の挨拶は必須です。多くの業者が代行してくれます。

• 固定資産税は上がりますか？

  外壁塗装は「維持管理」のため、通常は影響ありません。ただし外壁材の全面張り替えなど大規模改修は資産価値上昇とみなされる場合があります。

• 京都・滋賀で使える補助金はありますか？

  過去には多くの市町村でリフォーム関連の補助金制度が実施されていました。ただしこれらの制度は年度ごとに見直されるため、必ずお住まいの自治体の最新情報を直接ご確認ください。着工前の申請が必要な場合が多いので、計画段階での確認が重要です。

まとめ：今すぐ始めるべき3つのアクション

外壁の緑の汚れは、単なる「見た目の問題」じゃないんです。

それは高湿度な京都・滋賀の風土がもたらす、家の健康を蝕む深刻な劣化の初期症状。

放置すれば凍害や雨漏りといった深刻な事態を引き起こし、安易なDIY治療はかえって症状を悪化させる危険性をはらんでいます。

大切なのは、このサインを見逃さず、正しい知識を持った専門家に診てもらうこと。原因を正確に突き止め、「バイオ洗浄」で病巣を根絶し、「防カビ塗装」で再発を予防する。この適切な処置こそが、あなたの愛する我が家の寿命を延ばし、その資産価値を守る最善の道なんです。